お顔のこだわり
『ひととえのお人形は夜見ても怖くないんです』
と、お客さまからお声をいただきます。多くの方がお人形は怖いものというイメージがあるからなのでしょうか。
しかし雛人形の原点である”身代わりとしてお子さまを守る”お人形は、本来小さな子供も大人も、誰にでも愛され愛でられるものです。そんなお人形をつくりたいという想いから、ひととえのお顔づくりが始まりました。
数え切れない試行錯誤の末に産まれたお顔は、愛らしさと上品さが絶妙なバランスで調和する、ひととえの自信作です。
- 瞳が輝くガラスの入れ目仕上げ -
ひととえのお顔は、貝殻の内側を粉末にした胡粉と膠(※)を用いて丁寧につくられます。
一般的な雛人形は目を筆で描く『書き目』を施しますが、ひととえのお雛様は全て『入れ目』仕上げ。そのため目の位置や目線にも細心の注意が払われます。
お顔が小さい分、わずかな誤差でも表情がガラリと変わるため通常よりも高度な技術が必要とされますが、ひととえの愛らしい表情をつくるためには欠かせない技法です。
※膠(にかわ)…動物の皮や骨等を原料としたのり。天然の成分でつくられるため、生分解性があり人と環境に優しい接着剤です。
- 天使の輪が見える美しい黒髪 -
木目込み人形の結髪(髪の毛)には、人形の髪に用いることのない超極細シルクを使用し、熟練の職人が丁寧に仕上げます。天然素材の絹は、なめらかで艶のある美しい黒髪に。
さらに、ムラが出やすい手染めではなく、糸の内部まで染料を圧縮浸透させる技術を採用し、光を反射するほど真っすぐで艶やかな黒髪を実現しました。
- 職人の技が集結して完成する上品なお顔 -
面相(めんそう)を描く頭師が、ひとつひとつのお顔に眉毛や頬紅、唇に紅をさしていきます。
この道一筋の職人がそれぞれの工程を分業で行い、ひととえのお顔が完成します。
お顔の種類
髪型は『割り毛』というおさげ髪。平安時代に誕生し源氏物語にも登場する日本古来の髪型です。高度な技術が必要となるため下げ髪を作ることのできる職人は非常に少なく、今では高級なお雛様にしか用いられ なくなりました。
記憶に新しい令和天皇即位の礼にて、皇后さまがしていらっしゃった髪型です。大垂髪は江戸時代後期に完成された比較的新しい髪型で、美しく雅やかな姿は現在のお雛様の一般的な髪型として親しまれています。両脇に広げながら後ろへ長く垂らした大垂髪は優美で上品な佇まい。髪型に合わせて、お顔も少し大人びたすまし顔。入れ目仕上げのガラス目が、表情に命を吹き込んでいます。
どちらのお顔がお好みですか?
ひととえの木目込み人形は、おさげ、おすべらかし、どちらかお好みのお顔を
選択することができます。
お顔違いのイメージを『 Web de カスタマイズ 』からぜひご覧ください。
お人形選択画面から…