コンパクトな雛人形が欲しい

2020年08月26日

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具体的な置き場所のサイズにあわせて考えます

核家族化が進み、若い子育て世代の暮らす住まいにマッチしたお雛さまとして、コンパクトな雛人形が人気を集めています。実際にどんなものがあるかというと、内裏雛だけの親王飾や、お人形自体が小ぶりのお雛さま、こぢんまりとワンパッケージで置けるケース飾りや壁掛けタイプなど、さまざまです。コンパクトだからといって略式というわけではなく、コンパクトでも作りが確かな本格志向の雛人形が売れ筋で、リビングに飾られることが多いことを踏まえ、インテリアに溶け込むオシャレなお雛さまが増えました。

 

では、実際の住まいを想定して、求められているサイズ感とそこにマッチする雛人形を考えてみましょう。コンパクトな雛人形の需要が最も高い、都市部のマンション暮らしのご夫婦という設定です。間取りは2LDK~3LDK。お雛さまを飾るとしたら、リビングのチェストの上か、飾り棚も兼ねた書棚、あるいは玄関収納に付属した飾り棚しかありません。仮に一般的な家具のサイズを想定して、チェストの天板のサイズは幅90×奥行45㎝、書棚と玄関の飾り棚は幅60×奥行35㎝としましょう。LDKには食卓やチェスト、書棚のほかに、ソファセットや大型テレビも置いているため、雛人形を床置きするスペースはありません。LDKと続きの和室がありますが、上の子の遊び場になったり、泊まりに来る両親や兄弟の寝室になったりして置くのは難しそうです。

 

さあ、この条件でどんな雛人形が選べるでしょうか。先輩ママたちのアドバイスを聞くと、大きな衣裳着人形を内裏雛だけでシンプルに飾るか、小ぶりの木目込み人形をにぎやかに飾るかに二分されるようです。

 

〇コンパクトな雛人形の提案① ― 衣裳着人形を内裏雛だけで飾る

最初の候補は、大きめの衣裳着人形を内裏雛だけで飾る親王飾りです。一般的な衣裳着人形のお雛さまは、比較的大ぶりで存在感があります。幾重にも着せ付けた衣裳が映えて、見ごたえのあるとても艶やかな雛人形です。衣裳着人形の大きさは一般的なものだけでも6~7種類あり、一番小さな「柳」と呼ばれる幅18㎝ほどのものから、大きなものは幅30~40㎝のものまでさまざまです。衣裳着人形のお顔はすまし顔が多く、全体的に古典的な雰囲気を感じますが、なかには衣裳や屏風にモダンなデザインをほどこしたものもあります。

 

幅30cmを超えるの大ぶりの衣裳着人形は、男雛と女雛を並べるだけでスペースがいっぱいになってしまうので、コンパクトに飾るには幅20㎝前後の小さめのお人形がおすすめです。後ろに屏風を広げ、男雛と女雛の間に三宝(さんぽう)、左右に雪洞(ぼんぼり)を置くことを考えると、飾り台の幅は最低でも60㎝は必要です。実際に出回っている雛人形を見てみると、横幅70×奥行45㎝くらいが平均的なサイズでしょうか。幅60×奥行35㎝の書棚や玄関はスペースが不十分なので、飾れる場所はただ一つ、幅90×奥行45㎝のチェストだけです。センターに置いても左右の余るのは10㎝ずつ、高さも40㎝ほどになりますから、親王飾りだけでもかなりの存在感です。

 

ちなみに、人形工房ひととえにも幅16cmというオリジナルサイズの衣裳着人形をご用意しています。親王飾りと五人飾りがあり、親王飾りは幅42.5~50㎝×奥行30~33.5㎝と一般的な衣裳着人形の最小サイズよりもさらにコンパクト。三人官女を付けた五人飾りでも幅48×33~45㎝でまとめられました。チェスト上も半分くらいで収まり、奥行の少ない書棚や玄関にも飾れる大きさです。

 

〇コンパクトな雛人形の提案② ― 小ぶりの木目込み人形をにぎやかに飾る

次の候補は、小ぶりの木目込み人形をにぎやかに並べたお雛さまです。木目込み人形は小さいサイズのものが多く、コロンと丸みを帯びたフォルムや子どものような丸いお顔が愛らしいので、小さなお子さんから年配の方まで幅広い世代に好かれる雛人形です。作り手によってお顔も衣裳も個性的なお人形が多く、古典的なものからモダンデザインまで種類も豊富で、昨今人気が高まっています。

 

人形工房ひととえが製造している木目込み雛人形のサイズは3種類あり、最も小さい11号は幅8.5㎝、二番目に小さい12号は幅10.5㎝、一番大きな14号は幅13㎝。11号と12号のお雛さまは親王飾りから十五人飾りまで取り揃えており、14号は親王飾りと五人飾りのみのご用意です。飾り台も含めたサイズは、飾り台の種類によっても異なりますが、もっともポピュラーな二段の親王飾で11号は幅32×奥行23㎝、12号は幅40×奥行30cm、14号は幅48×奥行33㎝と非常にコンパクトです。

これならば三人官女や五人囃子も置けるのでは、と考える方もいるでしょう。11号サイズのお人形で見てみると、五人飾り(二段)の最小サイズは幅36.5×奥行27.5㎝、十人飾り(三段)は幅46×奥行36㎝、十五人飾り(五段)は幅48×奥行45㎝と、リビングチェストはもちろん、書棚や玄関にも余裕をもって置けます。お人形一つひとつが小さいので、段飾りも高さが抑えられ、圧迫感もありません。人形の数はもちろん、飾り台もさまざまなバリエーションから選べ、選択肢はグンと広がります。スペースに余裕が出るので、雛道具をたくさん飾ったり、脇につるし雛や名前旗も置いたりもできますね。妹が生まれてお雛さまをもう一つ―ということになっても、仲良く並べて置けそうです。

 

ここで興味深いエピソードをひとつ。

親王飾りのみの雛人形が増えて、子どもたちの世界にもちょっとした変化があるそうです。皆さんよくご存じの童謡「ひなまつり」には、“お内裏さまとお雛さま” の他に “五人囃子” や “(三人)官女” が登場しますが、幼稚園や保育園で「五人囃子って何?」「三人官女なんて知らない」という声が聞こえてくるようになったとか。せめて三人官女が付いたお雛さまにしたほうがよかったかも……と後悔するママもいるそうです。なるほど、その存在にふれずにきてしまえば、五人囃子も三人官女もわからないんだなあ―と考えさせられるお話です。スペースに余裕が出るコンパクトな雛人形ならば、後から買い足していくということも可能です。初節句は親王飾りでお祝いし、毎年の誕生日や七五三など、成長を祝う節目にあわせて、三人官女、五人囃子、随身、仕丁とお人形を増やしていくの楽しいかもしれませんね。

 

人形工房ひととえの雛人形は、マンションサイズのコンパクトなお雛さまです。購入時にカスタマイズができるほか、オプションとして後からお人形やお道具を買い足していくことも可能です。ショールームはもちろん、お電話やメールでも、経験豊富なスタッフがさまざまなアイディアをご提案しながら、各ご家庭にぴったりのお雛さまをご一緒にお探し致します。ぜひお気軽にご相談ください。